なんといっても、経路積分を考案したリチャード・ファインマン自らが著した教科書が有名です。
ファインマン 量子力学と経路積分
【新版】 量子力学と経路積分 リチャード・P・ファインマン, アルバート・R・ヒッブス著, ダニエル・F・スタイヤー校訂, 北原 和夫 翻訳 2017年 みすず書房 : 2010年刊の原著校訂版Quantum Mechanics and Path Integrals: Emended Editionを底本とする訳書。原書の初版は1965年で、原書の間違い879箇所がDaniel F.Styerによって訂正された「校訂版(Emended Edition)」が2005年に刊行されました。
米満, 高野 経路積分ゼミナール―ファインマンを解く
経路積分ゼミナール―ファインマンを解く 米満 澄 , 高野 宏治 著 1999年: ファインマン、ヒッブスの「量子力学と経路積分」の練習問題の解き方を解説した本。
柏 経路積分:例題と演習
経路積分: 例題と演習 (量子力学選書) 柏 太郎 著 2015年 裳華房: 途中計算を丁寧に詳しく記述。
和田 今度こそわかるファインマン経路積分
今度こそわかるファインマン経路積分 (今度こそわかるシリーズ) 和田純夫 著 2014年 講談社:
自然法則の中での地位から考えれば、先に量子力学があり、古典力学はその近似理論として導かれるべきものである。だとすれば量子力学(あるいは場の量子論)はどこからもってくればいいだろうか。それを、2スリット実験の分析から想像される量子力学的粒子像を出発点にしようというのが、本書第1章の話である。そのような議論をすると、シュレーディンガー方程式より先に経路積分の発想が自然に出てくる。(序文 より)
Gozzi, Catarruzza Path Integrals for Pedestrians
Path Integrals for Pedestrians by Ennio Gozzi (Author), Enrico Cattaruzza (Contributor), Carlo Pagani (Contributor) 2016年 World Scientific Publishing Company 140ページ: 経路積分の入門書。まえがきに、本書は経路積分の計算をわかった気になってしまう危険な書なので、読了後は、Feynman and Hibbs 1965、Schulman 1981、Kleinert 1990、Khandkar 1993、Sawanson 1992、Wiegel 1986、Albeverio and Hoegh-Krohn 1976、Sakita 1985、Rivers 1987、Das 1993、Zinn-Justin 2005などの教科書に進みなさいというアドバイスがあります。
シュルマン ファインマン経路積分
ファインマン経路積分 L.S. シュルマン (Lawrence S. Schulman)著, 高塚 和夫 訳 1995年 講談社
スワンソン 経路積分法
経路積分法―量子力学から場の理論へ (物理学叢書) M.S. スワンソン (Mark S. Swanson)著, 青山 秀明, 和田 信也, 川村 浩之 訳 1996年 吉岡書店
Kleinert Path Integrals
Path Integrals in Quantum Mechanics, Statistics, Polymer Physics, and Financial Markets. Hagen Kleinert (author) Paperback: 1624 pages Publisher: World Scientific Publishing Company; 5 edition (May 18, 2009): 初版が1990年、改訂を重ねて2009年に第5版が出ましたが、1624ページという大部になっています。出版社の説明によれば、水素原子軌道を経路積分法で解くなど、さまざまな興味深い例が示されているそうです。また、「量子力学、統計学、高分子物理学、金融市場における経路積分」という実に守備範囲の広い書名に驚かされますが、経済学で有名な、オプション価格に関するブラック–ショールズ方程式にまで言及されているそうです。
Albeverio, Høegh-Krohn, Mazzucchi Mathematical Theory of Feynman Path Integrals
Mathematical Theory of Feynman Path Integrals: An Introduction (Lecture Notes in Mathematics) 2nd, corr. and enlarged ed. 2008 Edition
by Sergio Albeverio (Author), Rafael Høegh-Krohn (Author), Sonia Mazzucchi (Author) Publisher: Springer: 初版は1976年。ファインマンの経路積分は量子力学、統計力学、量子場の理論において広く使われ実り多い結果を生み出してきた反面、それらの使い方は数学的に十分な正当性を与えられてこなかったので、本書の狙いはファインマン経路積分に数学的な理論をを与えることであるという主旨が、本書の序章において述べられています。
Zinn-Justin Path Integrals in Quantum Mechanics
Path Integrals in Quantum Mechanics (Oxford Graduate Texts) Jean Zinn-Justin (Author) 2005 Oxford University Press: 序章では、「経路積分による量子力学の定式化は、通常の偏微分方程式による定式化に比べて一見複雑なように見えたとしても、実際にはシュレーディンガーによる定式化が役立たないような多自由度の系に対してうまく適用することができるのです。そのため、少数の粒子に関する量子力学から量子場の理論や統計力学へと容易に移ることができます。」といった説明があります。