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このウェブサイトは勉強のための忘備録みたいなものです。科学の発達により人類は膨大な知識を得て、自然現象を理解するための深い理論を手に入れたわけですが、その時代その時代の天才的な科学者たちが大変な苦労をした末にたどりついた数千年分の英知の集積を、現代を生きる(多くの場合)凡人が小学校(6年)、中学校(3年)、高校(3年)、大学(4年)とたかだか16年程度で身に付けることを要求されるわけです。小中学校で学ぶことは大して多くないので実際には高校、大学を中心とした10年足らずの間に学ぶことになります。さらにいえば、高校のときは大学受験を意識せざるをえなくてかなり限定された範囲の習得に心血を注ぐことから、人類数千年の英知が、フツーの頭しかもっていない人間に対して、大学に入った最初の2年くらいにどかっと降りかかってくると言えるでしょう。まさに無理ゲー。

受験勉強で大変な思いをした人間にしてみれば、大学を合格したあかつきにはちょっとは心と体と頭を休めたいところですが、実際には高校の勉強とは比較にならないくらい難しい内容、広い内容、深い内容の勉強に心身を捧げる必要があります。そうしなければ、一瞬で大学の授業から脱落してしまうでしょう。

大学受験はなんというか手取り足取り、わかりやすい参考書、わかりやすい解答解説付きの問題集がたくさん出回っていて、適当な本を選べば勉強しやすいと思います。それに比べて、大学での勉強は、定評のある標準的な教科書と言うものは存在せず、その大学のその先生が自分の好きなように教えて、場合によっては講義録を教科書にして出版していて、てんでバラバラです。自分で教科書を書いていても、授業時間の制約などがあるためにその教科書通りには進めていないということもあります。大学入学までの至れり尽くせりの甘やかされた勉強態度から一転して、突き放されて放置された状態で勉強を強いられるのです。いや、勉強を強いてくることすらなくて、ぼーっとしている学生はいつの間にか単位を落として窮地に立たされるのかもしれません。高校まではあれほど勉強しろ勉強しろと言いつづけてきた両親も、子供が大学に入るとなぜか勉強しろとは言わなくなります。一番勉強しないといけないのは、大学1,2年生のときでしょう。何しろどんな学問分野に行くにしてもその基礎となる数学、物理、化学の知識は必須だからです。

自分が大学生のときは、一体何がどうなっているのか何もわからず途方に暮れていました。解析学の講義は、先生本人が書いた解析学の教科書を黒板に向かってほとんど丸写ししているようにしか見えず、かといってまったく同一でもないので、教科書を使って復習しようとしても今一つ教科書と講義内容との対応がわからなくて困る、そんな状況でした。頭を使わずに黒板をひたすらノートにとる作業はまったくもって無駄でした。殴り書きされたノートを自分で見返してもよくわかりませんし、頭を通っていない内容など本当に意味がありません。量子力学などは、何の教科書に沿ってやっているのか、先生が独自にやっているのか、そういう手がかりもなかったので、授業に落ちこぼれたときに自分で補うためにどんな教科書を使って勉強すればいいのか皆目見当がつきませんでした。しかも量子力学は教科書によって説明の仕方、トピックの導入のしかたがかなり異なっています。ブラ、ケットを使う教科書もあれば使わない教科書もあります。テクニカルタームも異なっていたりして、違う言葉なので別のことかと思っていたら同じものだったり。逆に似ているから同じものかと思ったら全然違う概念を指す言葉ということも、科学の世界では日常茶飯事です。

今頃になってようやくわかったことですが、教科書にはいろいろな種類があるのです。読者(大学生)に予備知識を一切もとめずに、ゼロから読んでわかるように書かれた教科書。一寸の無駄も隙もなく、論理的に積み上げていくように書かれた教科書。この2つは対極ですが、多くの教科書はその中間に位置します。教科書には紙面の制約というものがあるために、緻密に論理を積み上げて説明していくと膨大なページ数を要することになるため、普通は、「行間」があります。つまり式の変形などの説明が省略されて、前提条件の説明からいきなり結果の式だけ書かれていたりするわけです。「簡単な計算により」とか、「~となる」、「~であることがわかる」といった表現によって、行間が存在することが暗示されているのですが、自分は長い間、「~となる」という言葉を読み飛ばしていて、その真意に気付かずにいました。ちゃんとその教科書を勉強するつもりであれば、「~となる」の部分は自分で全部計算してみて、たしかにその通りに結果に書かれた式が導かれることを確かめなくてはいけなかったのです。それが、「~となる」の真意だったのだと思います。そんな勉強方法は誰も教えてくれなかったし、指摘してくれなかったので、自分はそもそも勉強のやり方というものをわかっていなかったなあと振り返ってみて思います。「簡単な計算により」と言われた場合も、その教科書の著者である優秀な物理学者にとって「簡単な計算」というだけで、高校数学しか知らない読者である自分にとっては、決して簡単な計算ではないことのほうが多いです。そもそも教科書の著者は、大学1,2年で学ぶ数学は常識と仮定して物理の教科書を書いているので、簡単な計算というのは、まだ大学でならっていない数学の内容である可能性があります(例えば、偏微分における連鎖律(チェインルール)など)。

大学の先生が、長年の講義経験に基づいて書いた教科書がわかりやすいと思います。その際、いわゆる難関大学の先生よりも、もうすこし入りやすい大学(地方国立大や中堅私立大学)で一生けん命わかりやすくする工夫をして教えているの先生が書いた教科書の方が断然説明が丁寧でわかりやすいです。特に、多くの学生が躓くポイントを先回りして解説してくれているような教科書が独習するには向いています。

自分が今までいろいろな教科書を見て回って、通読して良かったと思えたのは、たとえば、

由井 宏治 見える! 使える! 化学熱力学入門  2013/8/24 オーム社

これは、熱力学の法則から出発して様々なことを導いていくスタイルで、話の流れが非常にわかりやすくて、読み進めるのが楽しいと思える本でした。章末問題も理解を確認するための基本的なものばかりで、躓くような難問もなく、自分にはとても有用でした。

金谷 健一 これなら分かる応用数学教室 ―最小二乗法からウェーブレットまで― 2003/06/15 共立出版

もうまく書かれた教科書だなあと感心しました。数学は抽象度を上げていく学問だということが実際によくわかりました。(ただし、後半部分でとん挫したまま。いつか再開するかも)

一番自分にとって良くなかった教科書

杉浦 光夫 解析入門 Ⅰ(基礎数学2) 1980/3/31 東京大学出版会

でした。ただし、あくまで、読者の学力によるという意味です。実際のところ、名著の誉高い教科書です。杉浦 光夫 解析入門は将来数学者になる人なら楽しく読めるのかもしれませんが、自分にはとても読めたものではありませんでした。繰り返しますが、数学力および学ぶモチベーションが非常に高い人にとっては、非常に良く書かれた教科書だと思います。数学が大好きな人達には非常に評価の高い教科書です。数学的にきちんとした証明がどういうものかを知るには、安心して読める本なんだろうと思います。

自分のように数学音痴が解析学を学びたければ、もっとreadableな本がよかったのだと思います。自分にとって何がよくなかったのかというと、高校時代に数学が大の苦手だった自分が大学に入って初めて買って手にして開いた本がこの本だったので、「大学の教科書はこういうもの」だと思ってしまったことです。実際のところ、もっと読みやすく書かれた教科書は探せばほかにあったのでした。自分のように教科書の前書きまでは楽しく読むけれど本文で最初の式が出てきた途端に頭が止まる人間には、マセマがあれば良かったなと思います。マセマの教科書は、高校生が勉強する大学受験の参考書のようなノリ、丁寧さ(数式の変形でいわゆる行間がなく、全部書いてある)で書かれているので、「高大接続」の鑑のような本で、高校の勉強と大学の勉強とのギャップに学習者がハマって終わることは避けられます。マセマでとりあえず大学の勉強に慣れてから、もう少し堅い定評のある(マセマも定評がありますが)教科書に手を出しても遅くはないでしょう。

そんなわけで、理系の大学生が大学レベルの勉強をするときには、誰も教えてくれない落とし穴が無数にあると思います。今でこそ学生に寄り添う気持ちで書かれた懇切丁寧な教科書がいくつかあります。また、一見、ぶっきらぼうに見えた教科書でも内容が多少わかったうえでもう一度読み直すと案外親切な言葉で補足されていたりすることもあります。こう説明してくれれば理解できたのに、という微妙な言葉の差異が理解のしやすさに決定的な影響を与えることがあります。大学の勉強は不親切。さらに大学院に行くともっと不親切(何をやったらいいのかすら誰も言ってくれない)。まあ大学院のことはおいておいて、大学の勉強の不親切を先回りして、何とか対処できるようなウェブサイトになればいいなと思います。

このウェブサイトは、科学の概念を言葉や数式で丁寧に説明している教科書や資料のまとめサイトみたいなものを目指します。

いい教科書とはどんな教科書でしょうか?自分が今思うのは、まず、自分の力で一冊読み通せる教科書が自分にとってのいい教科書なのではないかと思います。もちろん読者の知識レベルはまちまちなのでその人にとってのいい教科書というものは当然人によって異なってきます。200ページを超える教科書は読み通すのがしんどいです。ページ数の多さが内容やトピックの多さのせいなのか、数式を言葉で説明する部分が多いせいなのか(この場合なら300ページくらいまでの厚さはOK)でも異なってはきますが。一冊読み通すことでその科目の内容が俯瞰できるというのが大きいです。トピックとトピックとの相互関係がわかると、なるほどと思えるわけですね。何が何から導かれるのか、一番の出発点の仮定は何なのか、何だけで十分なのか、といったことは重要です。論理的に書かれているかどうかも大事です。論理的に書かれていない教科書なんてあり得るのか?と思われるかもしれませんが、物理や化学の場合、いろいろなトピックがバラバラに示されている(ように感じる)教科書も多いと思います。

 

高校で物理や数学を学んでから理系の大学入っても、そこで学ぶ物理と数学はやる内容も授業の進め方もかなり異なっていて面食らう学生が多いのではないでしょうか?大学の講義では新しい概念が次々と登場し、消化不良に陥っても、その場その場で自力で解決していかない限り、授業においていかれます。

先生に質問して疑問を解決できればそれがベストですが、質問しづらい雰囲気の先生の方が多いので、それでも聞きにいける度胸がある学生でもなければ自分で適当な参考書を物色することになります。自分は小心者で、質問して答えてくれてもその場でその答えが理解できなかったらどうしようという恐怖から、聞きにいったことはありませんでした。

最近は大学の授業をインターネットで公開する大学が増えてきました。家にいながらにして世界中の大学の素晴らしい授業を視聴することができます。

大学の先生が自分の教育内容をウェブ上で公開している例も多くあります。その大学に入ってその先生の授業を受けることができなくても、ネットでつながったPCさえ家にあればそのような良質の教材に自由にアクセスできてしまうのです。

もちろん、パソコン上で勉強するよりやはり教科書を手元においてじっくり勉強するスタイルの方がよいという人もいるでしょう。

このウェブサイトでは、インターネット上の授業動画や授業教材など無料情報へのリンク、その分野での定番と言われているようなお勧めの教科書の紹介(アマゾン)などをメインコンテンツとするサイトです。

 

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about」への93件のフィードバック

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