ミリカンの油滴の実験

電子の電荷量(素電荷)を帯電した油滴の動きを測定することにより決定したミリカンの実験の解説動画。ノーベル賞授賞の対象となった歴史的な実験です。高専や大学の物理学実験でおなじみの人もいることでしょう。

Millikan Oil Drop Chemistry Experiment – Determining the Electron Charge

原理の説明(英語)。
Principle of Millikan Oil Drop Experiment: Bohr Model of Atom 5/36

インターネット上で閲覧可能な、ミリカンの油滴の実験の原理、実験例、解析方法、考察などを記載した資料を紹介しておきます。

  1. 9 電気素量の測定 - ミリカンの電気素量の測定原理 - (滋賀県総合教育センター)
  2. 素電荷の測定(ミリカンの実験)(慶応義塾大学自然科学研究教育センター)

ミリカンの実験を再現するための装置が販売されています。

  1. ミリカン電気素量測定器 MLD-5(島津理化)
  2. ミリカンの実験装置 (品番 U131001 日本スリービー・サイエンティフィック株式会社)

 

ちなみに、研究不正が話題になったときにこのミリカンの有名な油滴の実験が槍玉に挙げられることがあります。ミリカンは実は実験データを恣意的に選択して、きれいすぎる結果を得たのではないかという指摘です。この主張の根拠になっているのが、科学ジャーナリストが1983年に書いた『背信の科学者たち』(Betrayers of the Truth: Fraud and Deceit in the Halls of Science、真実の背信者たち、科学の殿堂における欺瞞と虚偽)です。

電子の電荷量を正確に測定することが目的だったわけですから、実験中に測定条件が少しでも良くなかったと思えた例を除外したからといって、直ちに研究不正だと結論付けるの性急過ぎると思われます。実際、物理学者のDavid Goodstein氏がミリカン擁護論”In Defense of Robert Andrews Millikan”を発表しており、『背信の科学者たち』の主張に反論しています。なお、ミリカンの実験ノートはカリフォルニア工科大学のウェブサイトで公開されており(Robert A. Millikan Oil Drop Experiment Notebooks)、誰でも閲覧可能です。