アートとサイエンス

魚が泳ぐメカニズム

2017/04/29
 
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推力

2つめの方法は体幹の後部を屈曲・伸展させることで斜め後方の水を蹴る方法[3]。これは別の言い方をすると、身体のいっぽうの側面あたりの水に自身の身体の側面を衝突させ、衝突させた側の水圧を高く、反対側の水圧を低くすることによってそれらの水圧差を抗力として用い、身体の身長方向の力の分力によって前進する、という方法だということになる[3]。典型的なのは魚の腹から尾びれまでの左右の動き、あるいは魚の背びれの(うねうねした)動き、また人間や他の動物の泳ぎ方である[3]。クジラやイルカは尾びれを上下にあおって推進力を生み出す[3]。(出典:推力 ウィキペディア

粘性力と慣性力

大雑把にいって、我々の目に見えない、1ミリよりも小さな世界では、慣性による作用がほとんどなくなる。粘性力(抵抗)の作用で動くことになる。たとえば、サメは泳ぐのをやめても慣性力のために止まることができないが、精子は動きを止めたらすぐさま止まる。粘性力が極めて大きい世界では、多くの場合、繊毛を運動器官として用いている。(出典:「海の生き物のミクロな動き」 稲葉一男 筑波大下田臨海実験センター長 YOMIURI ONLINE 2015年10月29日)

参考動画
Fluid locomotion simulation

魚の泳ぎ方に関する研究の歴史

生物流体の先駆者的存在であるCambridge大学動物学科の教授であったGrayは,1930年代から1960年代前半にかけて,生物運動及び生物流体現象を力学的原理を用いて説明するために,魚の運動について精力的に基礎研究を展開し多くの計測結果を得られた.1960年代から1970年代半ばにかけて,イギリスのLighthillやアメリカのWuを始め,多くの生物学者や,応用数学者及び工学者が参入してきて,水棲動物のみならず鳥をはじめ多くの生物の推進法に対して,ポテンシャル理論を用いた生物流体力学理論の体系化を構築した.ところが,その後つい最近の1990年代後半までに,大きな前進があまり見られなかった.これは,決して我々が生物の運動に潜んでいる優れたメカニズムを全部分かったわけではなく,むしろ従来の生物流体力学理論が限界に来ているのではないかと思われる.その理由は,激しい運動をこなす生物まわりの流れが大きな渦構造が伴うダイナミックなものであって,生物流体力学の基礎になっている航空流体力学を基にした定常あるいは準定常の線形理論が通用しなくなってしまうことが最近になって漸く分かった.つまり,生物流体は,通常複雑な非線形現象であり,故により高度な計測技術や解析理論を開発しない限り更成る発展が望めない段階まできたと思われる.現在,生物学者(中にCambridge大学動物学科のC. Ellington教授のグループとUC Berkeley校のM. Dickinson教授のグループが両大陣営になっている)を中心とした,生物モデル実験と,工学者を中心とした計算力学モデリングが2つ代表的な研究分野になりつつある.(出典:CFDで見る生物流れ 劉 浩(理化学研究所) 流れ 2001年10月号

慣性力

慣性力とは文字通り、質量が慣性をもつために現れる見かけの力のことです。慣性とは「止まっているものは止まりつづけ、等速度で動いているものは等速度で動き続けようとする性質」のことです。(出典:慣性力 FNの高校物理

加速、減速している乗り物に乗った観測者が感じるみかけの力を慣性力といいます。慣性の法則によって踏みとどまろうとする力です。観測者が乗った乗り物の加速度と向きが逆の力です。(出典:慣性力 わかりやすい高校物理の部屋

参考図書

  1. イルカに学ぶ流体力学 永井 実 1999年 オーム社出版局 テクノライフ選書 ISBN4-274-02402-4
  2. 生物の動きの事典 東 昭  1997年 朝倉書店 ISBN-13: 978-4254101430
  3. 抵抗と推進の流体力学 -水棲動物の高速遊泳能力に学ぶ 田中一朗, 永井實 著1996年 シップ・アンド・オーシャン財団 ISBN4-916148-00-2 (SPF笹川平和財団 OPRI 海洋政策研究所 報告書・出版物 1996年度 PDFリンク

参考図書(洋書 英語)

  1. FISH BIOMECHANICS Edited by ROBERT E. SHADWICK and GEORGE V. LAUDER 2006 Elsevier ISBN-13: 978-0-12-350447-0
  2. Fish Swimming J.J. Videler 1993 Springer ISBN-13: 978-0412408601
  3. The Biokinetics of Flying and Swimming By Akira Azuma 1992 Springer  ISBN: 978-4-431-68212-7 (Print) 978-4-431-68210-3 (Online)

参考文献

  1. Theodore Yaotsu Wu. Fish Swimming and Bird/Insect Flight. Annual Review of Fluid Mechanics Volume 43, 2011 pp 25-58 (Annual Reviews free abstract, arXiv:1006.1927)
  2. Jaywant H. Arakeri. Fluid mechanics of fish swimming 1. Lift-based propulsion. Resonance January 2009, Volume 14, Issue 1, pp 32–46 (Springer 有料)
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