表題に書いた命題を証明するためには、部分集合の定義に立ち戻ることと、命題Aが偽ならば命題Bの真偽を問わず、A⇒Bが常になりたつということの2つを使います
集合Aが集合Bの部分集合であるとは、集合Aに属するどの要素も、集合Bにも属する 式で書けば
$\forall x\in{A} \Rightarrow x\in{B}$
が成り立つことでした。なので
集合Φ(空集合)が集合Bの部分集合である とは、
$\forall x\in{\phi} \Rightarrow x\in{B}$
ということなので、これが示されれば証明できたことになります。
ところで論理式 $A \Rightarrow B$ は、$A$が偽(False)であれば、常になりたつことになっています。
空集合の定義は元をひとつも持たないことなので $x\in{\phi} $ は常に「偽」です。前半部分が「偽」なので、以下の論理式は常に成り立つことになり、
$\forall x\in{\phi} \Rightarrow x\in{B}$
証明したかったことが言えたことになります。(証明終わり)
参考
- 栗山 憲『論理・集合と位相空間入門』21ページ