英語の冠詞の使い分けがマスターできる本

英語の文を書くときに日本人が苦手とするのが冠詞の使い分けです。日本語には冠詞がないので、無理もありません。しかし、冠詞にtheをつかうべきなのか、aなのか、それとも無冠詞にすべきなのかを間違うと意味が全然変わってきてしまいますので、正しい冠詞の用法を身につけることは、英語で書き物をする必要があるプロフェッショナルになるためには避けて通れません。

冠詞の使いわけはどのようなルールに則っているのでしょうか?普通のアメリカ人に聞いてみても、「なんとなく。」「感覚的なものだから説明できない。」という答えしかかえってきません。ネイティブスピーカーであっても、突き詰めて考えた人にしか説明がつかないようです。人によって説明の仕方が異なることもありますので、自分が一番しっくりとくるルールを自分なりに見出すしかないのかもしれません。冠詞の用法を解説した本は、沢山あります。

  1. 科学論文の英語用法百科 第2編: 冠詞用法  グレン・パケット著 2016年 京都大学学術出版会: 京都大学で長年にわたり研究者が書く英語論文の校正を行ってきた著者が、説明しづらいネイティブの冠詞の感覚を日本人でも完全に理解して使えるようにさせることを意図して書かれた入魂の一冊。300ページの本ですが、丸一冊がtheか、a、無冠詞かを選ぶ基準の解説になっています。物理屋さんらしく理詰めで説明しているところに、類書にはない特徴があります。理数系の人にお勧め。研究で論文を書く人は必携の書といえます。何しろ京都大学の先生方の典型的な間違いが題材になっているので、勉強になります。使い分けの基準となるルールを確立するために、本書独特の概念を導入し、テクニカルタームとして定義したりしていて、一般人にはちょっと読みづらいところもありますが、そこはさらっと流して読んで、その先の具体的な例文を用いた説明まで読み進めれば大丈夫です。英語を使うプロの物書き向け。
  2. 英語冠詞大講座 猪浦 道夫 著  2016年 ディーエイチシー: これも英語を使うプロの物書き向け。
  3. ネイティブはこう使う! マンガでわかる冠詞 デイビッド・セイン 2014年 西東社: 漫画で解説した冠詞の使い分け。読みやすくてためになります。一般向け。
  4. aとtheの底力 — 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界 津守 光太 2008年 プレイス :冠詞使い分け入門といった趣の本。初心者向け。
  5. 英語の冠詞がわかる本 [改訂版] 正保 富三 2016年 研究社:初版は1996年。