x軸方向に進む横波があって、その波の振動がy軸方向(x-y平面上)だとします。すると、波の方程式は、
x=0において
y(0, t)=a sin ωt
だとします。aは振幅で、ωは角速度です。角速度はラジアンで測られ、360度が2パイラジアンです。座標xにおいては、原点からの時間のずれがx/v なので(波の速さがv)
y(x,t)=a sin ω(t- x/v)
となります。y=f(x)のグラフをaだけ右にずらしたグラフはy=f(x-a)になることは高校の数学でやった記憶があります。
一般的に一次元の波動を表す偏微分方程式は
∂2 y/∂x2 = c ∂2 y/∂t2
で、位置の2階微分が時間の2階微分と結ばれています。ここでcは定数で、実際には c = 1/ v2 (vは波の速度)です。ただし、このことはあとからわかります。
上の波の式 y(x,t)=a sin ω(t- x/v) は、上の偏微分方程式の解になっており、代入すると、(つまり、微分を2回行って計算すると)、v = sqrt(1 / c ) となります。つまり c = 1/ v2 だというわけです。
さて、マクスウェルの方程式からは、電場Eが上の波動を示す偏微分方程式を満たすことが導かれることから、電場Eが波であることがわかります。さらに、その波の速さが真空の誘電率と真空の透磁率(どちらも物理定数であり、既知)から計算されて、2.9986338×10^8 m/sとわかります。この数字は、光の速さと一致していることから、電場Eが光の速さで伝わる波だということがわかります。このことから、逆に光の正体は実は電場が伝わっているのではないかということが推察されます。マクスウェルの方程式からは、磁場に関しても同様に波として伝わることがわかるので、結局、光の正体は、電場と磁場が波として伝わるものという仮説が出てきたようです。