電磁気学の基本法則はマクスウェルの方程式(4つの方程式のセット)ですが、教科書のスタイルとしてマクスウェルの方程式に最後にたどりつくものと、マクスウェルの方程式から始めるものとがあります。力学の教科書ならニュートンの運動方程式が出発点ですが、電磁気学の場合はマクスウェルの方程式は数式としては簡潔でも初学者にはその数学的な意味はわかりにくいと思います。なので1冊目の初めて読む電磁気学の教科書はやはり最後にマクスウェルの方程式にまとめあげるというスタイルがおすすめです。そのほうが、歴史的な経緯にも合います。
グリフィス 電磁気学I,II
グリフィスの電磁気学はアメリカの標準的な教科書として絶大な人気を誇っているようです。 なにしろ、アマゾンでDavid J. Griffiths のIntroduction to Electrodynamics を見てみると、1440個ものレビューがついていて、76%が星5個をつけています。日本語訳は東京理科大学の先生方の手によるもので、理科大の物理学科ではグリフィスをつかって授業をやっているようです。日本語版が出たのはわりと最近で、2019/12/11です。自分が誰か初学者の人に電磁気学の教科書を一冊勧めるとしたら、迷わずグリフィスです。問題の答えは掲載されていませんが、ネットに転がっているみたい。
- https://www.physicsisbeautiful.com/resources/introduction-to-electrodynamics/MJEiSTyXEUcfVXXsVLrpfX/
第1章はベクトルとベクトルの計算の話。数学的な準備を先に終わらせておくという進め方なんですが、ここで躓きそう。慣れるしかないですね。避けて通ることはできません。電磁気学の話が始まるのは第2章からです。
砂川 重信 電磁気学
岩波書店の物理学の教科書のシリーズの中の一巻。1987年1月29日刊行。標準的な大学の電磁気学の教科書だと思います。自分も買いましたが、読んでません。自分には難解でした。無味乾燥に議論が進む印象で、理解力のない学生相手に手取り足取りというタイプの本ではありません。しかしアマゾンのレビューを見ると、非常に高い評価を得ている教科書です。
太田 浩一 電磁気学の基礎
太田 浩一 電磁気学の基礎〈1〉東京大学出版会2012年3月1日
太田 浩一 電磁気学の基礎〈2〉東京大学出版会2012年3月1日
この本のスタイルは電磁気学の研究の歴史をたどって、電磁気学をつくりあげるもので、第1巻では最後にマクスウェルの方程式に辿り着くという進め方みたいです。
遠藤雅守 電磁気学-はじめて学ぶ電磁場理論
ツイッターで、遠藤雅守 著『電磁気学-はじめて学ぶ電磁場理論』’森北出版2013年4月17日刊行) という本を知りました。
ダークホース的な本ですが、
「電磁気学-はじめて学ぶ電磁場理論」(遠藤雅守 著)-森北出版-
のベクトルポテンシャルの項目は分かりやすい説明ではないかと思います。 pic.twitter.com/4oWO3sPn9Q— enshot (@enshot) September 5, 2021
この本は分かりやすいそう。