ニュートン力学を構成する3つの法則は、ニュートンの第1法則、ニュートンの第2法則、ニュートンの第3法則と呼ばれ、それぞれ、
ニュートンの第1法則:力が作用していない物体(質点)は、静止または等速直線運動を続ける
ニュートンの第2法則:物体の加速度は、その物体に作用する力に比例し、その物体の質量に反比例する
ニュートンの第3法則:二つの物体の間に相互に力が働くとき、物体1から物体2に作用する力と、物体2から物体1に作用する力は、大きさが等しく、向きが逆向きである
とまとめられます。
ここでニュートンの第2法則は、力をF、物体の質量をm、物体の加速度をaとしたとき、F=maという関係式で表されます。しかし、物理学の教科書によっては、F=maと書いてある教科書とma=Fと書いてある教科書の両方が存在するようです。どちらが正しい、あるいは適切と言えるのでしょうか?
山本義隆 著『新・物理入門』(駿台文庫)の説明によれば、
ma=F この式は、「質量に加速度を掛けたものが力である」ということを表しているのでは決してない。この式は「物体mに力Fを加えられたならば、その結果として加速度aが生じる」という因果関係(原因・結果関係)を表しているのである。右辺と左辺が等しいというのは量的関係だけで、概念的意味内容としては右辺と左辺は異なる。つまり右辺は運動の変化の原因としての加えられた力であり、それは単なる数学的定義に帰し得ない実体的起源をもつ。他方、左辺はその結果として生じた運動の変化の割合を表している。 … 運動方程式はあくまでも物理的な因果関係を表しているのであり、力の定義式では決してない。(http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20080406より拝借)
F=maと書くと、力Fは質量に加速度を掛けたものである、とまるで力がこの式で定義されているかのように読んでしまいそうです。因果関係を示す方程式であることを明確にするためには、ma=Fという順で書くのが良いのでしょう。
物理では(系の力学的自由度を表す物理量)=(系の力学的自由度を変形させるような外因的な物理量)のような図式で左辺・右辺を書き分ける印象がありますね。(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1052580065)
ma=Fと書くのは物理学における習慣だそうですが、実際には、大学生向けの物理学の教科書でF=maと書いてあるものもあります。
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