xとyの関数f(x,y)があったときに、xで偏微分してからyで偏微分するのと、さきにyで偏微分してから次にxで偏微分することが同じであるということは、物理数学や物理でよく出てきますが、紙面の都合上それがその場で説明されていることは通常ありません。
自分で例をつくって確かめてみます。
f(x,y)=x^10 + 5xy + 7x^2 * y+ 11x*y^2 + y^3
∂f(x,y)/∂x = 10x^9 +5y + 14xy + 11y^2
∂f(x,y)/∂y = 5x + 7x^2 + 22xy + 3y^2
∂f(x,y)/∂xをさらにyで偏微分してみます。
∂∂f(x,y)/∂y∂x= 5 + 14x +22y
同様に、∂f(x,y)/∂yをさらにxで偏微分すると
∂∂f(x,y)/∂x∂y=5 + 14x + 22y
交換可能であることの証明はいろいろなウェブサイトでわかりやすく説明されているので、そちらの説明をご覧ください。上ではいい加減に書きましたが、交換が可能な条件というものがあります。
- 偏微分の順序交換 KIT数学ナビゲーション
- 多変数関数の偏微分の順序(クレローの定理) WIIS
- 【微積分#61】偏微分の順序交換 AKITOの勉強チャンネル チャンネル登録者数 3.52万人(YOUTUBE)
- 【偏微分の順序交換】できるための定理と,できない関数の例を紹介 速習大学数学【山本拓人】 チャンネル登録者数 5960人(YOUTUBE)
- 偏微分の順序交換の十分条件とその証明 高校数学の美しい物語
証明を追うためには、「平均値の定理」を知っている必要がありました。高校数学で勉強したことは覚えていますが、それが何だったのかはすっかり忘れていました。
関連記事 ⇒ 平均値の定理
この定理にはシュワルツの定理という名前がついているようです。証明には多くの数学者が関わったようで別の人の名前の定理として呼ばれることもあるようです。
The list of unsuccessful proposed proofs started with Euler‘s, published in 1740,[3] although already in 1721 Bernoulli had implicitly assumed the result with no formal justification.[4] Clairaut also published a proposed proof in 1740, with no other attempts until the end of the 18th century. Starting then, for a period of 70 years, a number of incomplete proofs were proposed. The proof of Lagrange (1797) was improved by Cauchy (1823), but assumed the existence and continuity of the partial derivatives ∂ 2 � ∂ � 2 {\displaystyle {\tfrac {\partial ^{2}f}{\partial x^{2}}}} and ∂ 2 � ∂ � 2 {\displaystyle {\tfrac {\partial ^{2}f}{\partial y^{2}}}}.[5] Other attempts were made by P. Blanchet (1841), Duhamel (1856), Sturm (1857), Schlömilch (1862), and Bertrand (1864). Finally in 1867 Lindelöf systematically analyzed all the earlier flawed proofs and was able to exhibit a specific counterexample where mixed derivatives failed to be equal.[6][7] Six years after that, Schwarz succeeded in giving the first rigorous proof.[8]
Schwarz, H. A. (1873), “Communication”, Archives des Sciences Physiques et Naturelles, 48: 38–44
参考サイト
- Symmetry of second derivatives (Wikipedia)