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学習スタイル4タイプ:なぜ?何?どうやって?今すぐ

勉強方法や授業方法に関する話題を、ネットで検索していると、学習スタイルには、なぜ?何?どうやって?今すぐの4タイプがあって、教えている生徒がどのタイプかを見極めてその人に合ったスタイルで教えたほうがうまくいくといったことがよく書いてあります。新しい項目が出てきたときに、なぜそれを学ぶ必要があるのかをまず知りたい生徒、それが何であるのかをまず知りたい生徒、どうやって問題を解けばいいのかを知りたい生徒、前置きはいいから今すぐやりたい生徒の4タイプということでしょうか。

学校の数学でベクトルという新しいものが出てきたときに、自分は「なぜそれを学ぶ必要があるの?」と思いましたし、「それって一体何なの?」とも思いました。しかし、なぜ今さらそんな新しい概念を導入する必要があるのか?という疑問が一番強かったように思います。

数学でも物理でも、新しいことが山のように出てくるわけですが、なぜその概念を導入したいのかという説明を詳しくしてくれている教科書は多くないのではないかと思います。それが結局は、勉強意欲をそいでいるのではないでしょうか。大変な思いをしてそれを学んで、その先にどんなおいしいことがあるのかがわからないと、学ぶしんどさに耐え切れなくなるわけです。

4つのタイプって、一体だれが言い出したのでしょうか。

デイヴィッド・コルブというアメリカの学者が、具体例→省察→抽象化→具体例への適用という4段階の学習過程(サイクル)を提唱しているみたいです。

  1. DAVID A. KOLB (experientiallearninginstitute.org) David Kolb is the Chairman of Experience Based Learning Systems (EBLS), an organization that he founded in 1980 to advance research and practice on experiential learning.

学習の過程における4つのサイクルを詳しくみると、

具体例を経験すること(concrete experience) Feeling

→自分の経験を省察すること(reflective observation) Watching

→具体的経験を抽象化すること(abstract conceptulization) Thinking

→別の具体例にそれを適用すること (active experimentalization) Doing

ということだそうです。当たり前といえば当たり前のような気もします。誰だって、こういったステップは踏んでるのではないでしょうか。物理学でニュートンの法則ma=Fを学んだときに、まずは、物体が落下するということを観察したり、ボールを投げてその軌跡が放物線を描くことを観察したりします。そこで、物体の動きがなぜそうなるのかを考えるわけです。で、ma=Fという法則に辿り着いて、ほかのどんな物体の動きもma=Fを適用できることを学びます。実際に高校生のときは大学受験を意識すると、最後のステップばかり訓練されるようにも思います。

Kolb’s Learning Cycle Explained with Example EPM チャンネル登録者数 6.89万人

最初に話を始めた、生徒の「4つの学習スタイル:なぜ・何・どうやって・今すぐ」は、コルブの理論とはあまり関係なかったようです。

4つの学習タイプとは?1.「なぜ」タイプ:理由が欲しい人 2.「なに」タイプ:データや事実が欲しい人 3.「どうやって」タイプ:具体的な行動プランが欲しい人 4.「今すぐ」タイプ:今すぐできることが知りたい人 アメリカの教育論者、デイビッド・コルブが提唱した4つの異なる学習タイプです。コミュニケーションのスタイルとも考えることができます。 https://ynagashima.com/4study-type/

上のブログ記事では、コルブが提唱と説明していました。元のソースを辿らないとよくわかりませんね。しかしこれは学習スタイルであると同時に、人を動かすコミュニケーションに直接役立つという指摘はなるほどと思いました。人にモノやサービスを買ってもらいたい場合に、どう訴求すればよいのかということですね。学習スタイルというよりも相手を説得し納得させ行動させるためのスキルとして紹介されることも多いようです。

  1. 人の行動を喚起するコピーライティング~「4つの学習タイプ」 2017.06.03
  2. 人を動かすライティングテンプレート 4つの学習タイプ

受験生や高校生に勉強してもらうときに、理由が欲しい人には、「勉強って大事だからね」と重要性を語り、事実が欲しい人には、「勉強した人だけが大学に合格できてるんだよ」と説き、どうやって?を知りたい人には、「この問題集を3か月で終わらせようか」と提案し、すぐに動きたい人には、「とりあえずアマゾンでこの問題集を注文しよう」と提案するかんじでしょうか。

1970年代にDavid Kolbが開発 Kolbの4つの学習モデル【図】 1. 収束型:問題解決,意思決定,アイディアの実践に優れ,技術的問題に取り組むことを好む 2. 発散型:状況を様々な角度から観察し,価値や意義について考え,人との関わりを好む 3. 同化型:帰納的に考え,抽象概念や理論的モデルを構築することを好む 4. 適応型:新しいことに着手し,直感的な試行錯誤によって問題解決することを好む (2009.11.13【学びの大事典!】「学習スタイル」 東京大学)

Kolbさんのモデルも年代で言うことが変わってきてるのかな。よくある4タイプはKolbさんが提唱として紹介されてますね。

  1. 自発的な行動を促す「対話」をするなら相手の「学習スタイル」を見よう 2022年6月10日 わたみそラボ

結局ネットを検索しても自分が知りたい情報、4タイプを誰がいつどこで提唱したのか、は見つかりませんでした。

自分の勉強を振り返ると、4つの学習スタイル:なぜ・何・どうやって・今すぐ よりも、自分が一番教師から聞きたかったのは、「どれだけ凄いことなのか?」です。特に大学の講義では、重要なことも先生はサラッとしか言わないので、「え、それってものすごく凄いことじゃないの?」というモヤモヤをいつも感じていました。

授業のヒント

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