生物種によって異なる卵割の様式を理解するのは高校生物の中心的なトピックです。ウニの卵の場合、最初の2回の卵割は縦に区分が入ります。第3卵割は赤道面(つまり水平な面)に入ります。これで8細胞になりました。ここまでは等割です。おのおのの割球の大きさは同じです。ウニの卵割の動画を見てみましょう。
Sea Urchin Early Cleavage
16細胞になるときの4回目の卵割は、上側(動物半球)は縦(経線が入るような垂直の向き)に割れるのに対して、下側半分(植物半球)では、極近くで水平方向に分裂面ができるように割れます。上の動画では残念ながら明らかではありませんが。つまり植物半球では不等割が生じて、16細胞にして初めて割球間に大きさの差が生じるのです。動物半球の大きさは、真ん中くらいの大きさ、植物半球の赤道側は大きい割球、極近くの4つは小さい大きさになります。下の動画でこのことが説明されています。
Sea Urchin Cleavage
このウェブサイトhttp://www.mls.sci.hiroshima-u.ac.jp/smg/seaurchin/seaurchin2.htmlでも4回目の卵割で16細胞になるときに非対称な分裂により中割球、大割球、小割球が生じることが写真で説明されています。
下の動画ではウニ受精卵の卵割が進んで桑実胚や胞胚あたりになって、卵割腔(らんかつこう)が形成されているのがはっきりとわかります。そのとき卵割腔のまわりの細胞は一層で並んでいることもわかります。その後、陥入が生じて原腸胚形成が進んでいきます。陥入していったときにできる空間が原腸になるというわけです。この陥入した側が肛門(こうもん)になります。反対側の先はやがて外につながって口が形成されます。
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