日本の学校教育において、国語の授業が自分にとっては不思議な存在でした。古文や漢文ならともかくなぜ現代国語の授業があるのか?小、中、高通して現代国語があり、大学入試の一次試験にも出題されます。大学によっては二次試験にも国語があります。そもそも現代国語なんてどう勉強したらいいのか皆目見当がつきません。
自分は子供の頃、毎日図書館に通って手当たり次第に本を読んでいたので、幸い国語力はあるほうだった思います。小学校の国語の授業中はなぜこんな当たり前のことを先生が生徒に質問して、しかも答えられない人がこんなに多いんだろうと不思議に思っていました。大学受験に際しても、現国だけは勉強しなくてもいい科目でした。
しかし仕事で他人の文章を直すようになると、自分ならなんとなく普通の文章が書けるという状態では仕事にならないことに気づきました。他人の文章を読んで、なぜ読みにくいのか、どうすれば読みやすくできるのかを瞬時に見抜いて最適な提案をする必要がでてきたのです。そんなわけで、今さらながらですが文章の書き方に関する本を読みまくるようになりました。そんななかで福嶋 隆史先生の著作を知ることになりました。図書館で4〜5冊借りて読みましたが、まさに目からうろこでした。国語力をここまで「定式化」したメソッドは他にないのではないでしょうか。
自分は、小学生のための問題集を今さらやる必要はないのですが、大人向きの本は自分の役に立ちます。実際、「ビジネスマンの国語力」が身につく本を読んだあとは、その日の仕事で、速攻役立ちました。その時、「3つの力」の応用可能性の広さは本物だと実感しました。
ふくしま式「本当の漢字力」が身につく問題集
福嶋隆史 読解力アップにつながる! ふくしま式「本当の漢字力」が身につく問題集 2024/6/13 大和出版
ふくしま式で身につく!国語読解力
福嶋隆史 塾へ行かなくても得点力がぐ~んと上がる!ふくしま式で身につく!国語読解力 2024/4/6
※2011年に刊行された『ふくしま式 難関校に合格する子の「国語読解力」』を改題し、加筆・再編集したもの
240328 最新刊?の内容紹介だよ ふくしま式 究極の国語授業&LIVE チャンネル登録者数 2390人
国語読解[完全攻略]22の鉄則
福嶋隆史 国語読解[完全攻略]22の鉄則 (高校受験[必携]ハンドブック) 2014/10/16 大和出版
国語が子どもをダメにする
福嶋 隆史 国語が子どもをダメにする (中公新書ラクレ 426) 2012/8/9
メン限動画)001 この10年でふくしま式がやや変質した点について 240129 ふくしま式 究極の国語授業&LIVE チャンネル登録者数 2390人
難関校に合格する子の「国語読解力」
福嶋 隆史 ふくしま式 難関校に合格する子の「国語読解力」 2011/9/22
「ビジネスマンの国語力」が身につく本
福嶋 隆史 「ビジネスマンの国語力」が身につく本 2010/12/11(アマゾン)
この本は、「本当の国語力」が驚くほど伸びる本の内容をもとに書かれていて、書いてあることもほとんどかぶります。執筆の動機が、大人が手に取りやすいように子供向けに書いた内容を大人向けに書きなおしたということです。「本当の国語力」が驚くほど伸びる本の内容は全部含まれていると思いますので、2冊のうちどちらか1冊を買うならこっちでいいのではないかと思います。
言い換える力はつまり、コミュニケーションの手段であり、相手とイメージを共有することが最終目的だと解説があって、なるほど納得でした。国語力はイメージを伝えること受け取ることだというのなら、音楽や絵画も同じですね。
比べる力は、比べる観点を自分で設定することにより、論説文が自由に書けることになります。論点をどう設定するかのアイデアが湧いてくるので、書くことが仕事の人にインスピレーションを与えてくれる本だと思いました。
たどる力は、論理の鎖をたどるという意味です。しかし、論理の輪はいくらでも細かくできてしまうので全部を詳細に書くわけにはいきません。相手のもっている知識に合わせて、当たり前なことは省略して相手にとって当たり前でないことをしっかり書くことが重要になってきます。これも大人が仕事で文章を書く際の大きなヒントになります。
国語の本なんて、いまさらと思う大人がほとんどでしょうが、仕事で他人の文章を添削するときに、なぜその文章が読みにくいのか、どうすれば読みやすくなるのかをウンウンうなりながら考える時間がなくなり、一瞬で頭が整理されるようになったので、まさにこれは仕事のためのツールだなと思いました。
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版〕
福嶋隆史 ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集〔小学生版〕 2010/7/6
「本当の国語力」が驚くほど伸びる本
福嶋 隆史 「本当の国語力」が驚くほど伸びる本: 偏差値20アップは当たり前! 2009/7/18(アマゾン)
自分は他人が書いた文章を添削することを生業としているため、日本語の書き方に関する本を普段読み漁っています。そんな中で目についた本が福嶋 隆史 先生の書いた国語力アップの本でした。図書館で借りてきて読んでみました。国語力というなんとも曖昧なものを、実に明解に説明するだけでなく、どうすれば国語力が身につくか、シンプルで実践的な課題とともに示しています。
いわく、国語力とはものごとを整理する能力である。別の言い方をすれば、国語力とは論理的思考能力である。国語力は3つの力に集約できる。ひとつは、言いかえる力。ふたつめは、比べる力。そして3つめが、たどる力。人間の脳は、1、2,3,たくさんと言われるくらい、数が多くなると処理がおっつかなくなります。あたまに入るのはせいぜい3つまで。国語力を3つのスキルにまで絞り込んだことがまずすごいことだと感心しました。3つならすぐに覚えられます。言いかえる力、比べる力、たどる力。ほら、言えました。
3つの力の内容は少し説明が必要です。
言いかえる力とは、抽象を具体に、具体を抽象に言い換える力です。鉛筆、シャーペン、ボールペン、つまり、筆記具。筆記具、例えば、鉛筆、シャーペン、ボールペン、といった具合です。具体と抽象は絶対的にせんびきされるものでなく、グラデーションになっています。トンボ社製のHBの鉛筆ーHBの鉛筆ー鉛筆ー筆記具ー文房具ー生活用品ーモノ といった調子で、具体も抽象もどっちの方向にもいくらでも伸ばせます。具体と抽象は相対的な関係でしかないわけです。
具体と抽象は階層構造があり、文章を書く際に、階層のものを並列するとおかしなことになります。他人の文章を読むときも、抽象ー具体の階層を意識して読むと頭を整理して読み進めることができて便利です。
2つめの比べる力は、そのまんまですね。比べるときに大事なポイントは、何の点に関して比べるのかをはっきりさせておくことです。A君は背が高い。それに対して、B君は体重が軽い。と書くと、比べる観点が、身長だったり体重だったり一貫していないのでおかしなことになります。A君は粗野だ。それに対して、B君は繊細だ。といえば、性格という観点で比較したことになります。
3つめのたどる力は因果関係についてです。風が吹けば桶屋が儲かるという小話がありますが、あれがまさに因果関係の長い鎖をたどるということになります。
以上の3つのちからを鍛えるだけで、国語力は劇的に伸びますよというのが本書の主張でした。小学生や中学生向けに書かれた本ですが、実際には、子供のために買った親がこの本を読んで自分自身の役に立ったと感じる例が多いのだそうです。つまり、小中学生の頃に必要な国語力を身につけないままに大人になっている人が大部分ということなんでしょう。