わかりやすい大学の有機化学の教科書 お勧め&定番

有機化学は大学で少し授業がありましたが、卒業して何十年も経つので全部忘れました。なんかパズルみたいなことやってたなくらいの記憶の痕跡しかありません。しかし最近生化学の教科書を読んでいたら、化学反応がなぜそうなるのかが全然わからず、結局、有機化学の教科書を読んで典型的な反応機構を理解する必要がありそうだと思うに至りました。

たとえば解糖系でグルコースがグルコース6リン酸、フルクトース6リン酸、フルクトース1,6ビスリン酸、ジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒド3リン酸といった順で反応が進みますが、フルクトース1,6ビスリン酸がなぜジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒド3リン酸に開裂するのか、全然わからないわけです。生化学の教科書だとアルドール反応でそうなるの一言くらいしか書いていません。アルドール反応って?と疑問符が付きまくりです。

そんなわけで有機化学の教科書をあれこれみていたのですが、独学に向いた非常にわかりやすい教科書に出会いました。基礎講座有機化学(化学同人)です。

基礎講座有機化学

あまりの丁寧な説明に深い感動を覚えます。高校の教科書か受験参考書を彷彿とさえるような、レイアウトのすばらしさ、カラーの美しさ、飽きさせないように要所要所に小話を入れてくれる心遣い、学生が誤解しそうなところを先回りした解説、ともう至れり尽くせりです。2022年4月5日発行なので、結構新しいですね。今の大学生はこんなにわかりやすい教科書が読めて幸せだと思います。

  1. 化学の本だな座談会 最新刊! 『基礎講座 有機化学』を著者が語る 有機化学の教科書と教育にいま何が求められているか 化学 Vol.77 No.6 (2022)
  2. 基礎講座 有機化学 2022/8/25 化学書籍レビュー ケムステーション

ブルース有機化学

生化学を理解する目的で有機化学の教科書を探していたので、ネットで出会ったのがこのブルースの有機化学です。ビタミンの生化学のチャプターがネットでフリーで読めました。

  1. 18章 酵素触媒反応の機構・ビタミンの有機化学 ブルース有機化学概説 東京化学同人

これは Essential Organic Chemistry の邦訳みたいです。自分は、概説 ではないほうの大部の教科書を原書で買いました。第8版です。

  1. Organic Chemistry, 8th edition Peason

Organic Chemistry 2016/1/5  Paula Bruice 1344ページ ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0134042282 自分が買ったのはこれ。紙質などはいまいちでスチューデントエディションの廉価版のような気がします。微妙に違う版があるみたいです。

  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-9353948450
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1292160344 Global Edition

Klein

Organic Chemistry as a Second Language  David R. Klein