ショパン バラード1番ト短調作品23の名盤・名演奏を聴き比べ

ショパン作曲バラード第1番ト短調作品23(Chopin – Ballade No. 1 in G minor, Op. 23)は自分のお気に入りの曲ですが、いくつか聞き比べてみます。

ミケランジェリ

自分が初めてショパンのバラード1番という曲を知ったのは、ミケランジェリのショパン曲集のアルバムを買ったときでした。レーベルはグラモフォンで、その演奏もYOUTUBEで聴けます。個人的には、今でもこれがベストのバラ1の演奏かなと思います。弾いている姿が見られるのもまた嬉しいので、動画も紹介しておきます。録音状態などを考えるとやはりグラモフォンのレコーディングが格段に良いように思えますが。

chopin ballade no.1

ツィマーマン

全てにわたって非常にクリアーな音。完璧な演奏とはこういう演奏のことを言うのかと思える演奏です。
Krystian Zimerman – Chopin – Ballade No. 1 in G minor, Op. 23

キーシン

キーシンは情が深いですね。
Evgeny Kissin plays Chopin Ballade no.1

ポリーニ

若いころの完璧なレコーディングを聴いたあとで、歳をとってからのポリーニのライブを聴くと、一体どうしちゃったの?というくらいにスタイルが変わっているように聞こえます。弾けないところがあってもお構いなしで激情に任せて突っ走るような演奏をしています。ポリーニとは思えないくらい、変な音がたくさん聞こえてきます。自分のテクニックの許容範囲を超えて突っ走るところが、ジャズだなあと思い、自分はこれはこれで結構好きなのですが。しかし、若い頃のポリーニからは想像ができない演奏。特にこのステージは、ちょっとイッっちゃってますね。
Pollini plays Ballad No. 1

映像はありませんが、Concertgebouw, Amsterdam, 4-2004のライブ演奏(YOUTUBE)はもっとまともに弾いています。若い頃にグラモフォンに吹き込んだ演奏は、完璧(YOUTUBE)です。

ルビンシュタイン

ルビンシュタインは偉大です。いろいろな人の演奏を聞き飽きるくらい(何百回)聞いてきましたが、ルビンシュタインの演奏を聴くと、そう弾くのか?という新鮮な驚きがあります。一音一音にものすごく強い主張があって、ひれ伏すしかないというくらいの王様感があります。
Arthur Rubinstein – Chopin Ballade No. 1 in G minor, Op. 23

チョ・ソンジン

チョ・ソンジン(趙 成珍)は1994年韓国生まれのピアニスト。2015年の第17回ショパン国際ピアノコンクールで優勝しています。アジア人がショパンコンクールで勝ったのは実に久しぶりのことですね。1980年にベトナムのダン・タイ・ソン、それから20年後の2000年に中国のユンディ・リが優勝し、さらにそれから15年後に韓国のチョ・ソンジンが勝ったということになります。2020年は日本人の優勝が来るのでしょうか?

Seong-Jin Cho – Ballade No.1 In G Minor, Op.23 (Live From The Yellow Lounge)

 

テレサ・カレーニョ

マリア・テレサ・カレーニョ・ガルシア・デ・セナ(María Teresa Carreño García de Sena, 1853- 1917)の演奏。
Teresa Carreño plays Chopin Ballade No. 1 in G minor Op. 23