スティーブ・ジョブズ (映画 2013年 アシュトン・カッチャー主演)【レビュー】

以下、アマゾンプライムで見た映画のレビュー。

 

映画「スティオーブ・ジョブズ」(2013年)。スティーブ・ジョブズがどうやって会社を興して、紆余曲折を経て潰れる寸前にまでなったアップル社を建て直したかということがわかる映画。
なんだか説明的な映画で、事実関係を掴むにはいいが映画としての深みはあまりなかったような印象。一番強烈だったのは、ガールフレンドを妊娠させたときにちょうど始めたばかりの会社にチャンスが訪れて、自分は父親じゃないとして頑として認めずガールフレンドを家から追い出してしまったくだり。お前は悪魔かという描かれ方だった。付き合っていたガールフレンドが妊娠して仕事の邪魔になったので捨てたという、最悪の構図。その部分は最後まで見てもなんのフォローもなくて、ひどい人間性だけが強烈に印象に残ってしまった。ウォズニアックと二人で自分の家のガレージでコンピュータ作りを始めたところから描かれているので、これから何かでかいことをやってやろうという野心に燃えた若者には、今では巨大な会社がどうやって育ったのかが概観できて教育的なんじゃなかろうか。

なにしろスティーブ・ジョブズの半生とアップル社の成長物語なので、見ていて普通に面白かった。一番面白みを感じたのは、プロジェクトや会社の成長に伴って、それについてこれない能力のなに人間やビジョンが共有できない人間は切り捨てるしかないという部分だったかな。厳しいけれどもそれが現実。ウォズニアックがアップルをやめたときの描写は、ウォズニアックの言っていることがいまいち伝わってこなかった。ここのセリフは事実に基づくのか脚本家の手による創作なのかわからないが、自分にはまったく納得もいかず響きもしなかった。それが惜しい。