『ヒットの正体』という本が、書棚で目に付いたので読んでみました。副題は、『1億人を動かす「潜在ニーズ」の見つけ方 “そうそう、それが欲しかった” 』。著者は、山本 康博氏で、日本実業出版社から2014年に刊行されたもの。
ざっくり内容をまとめると、
- 100円のコーヒーをヒットさせるのも、億ションをヒットさせるのも考えかたはまったく同じ
- たくさんのヒット作の影にはたくさんの失敗作もある
- 失敗は必要
- マッケターに学歴は不要。人を喜ばせたい気持ちが必要
- 著者はひょんなことから伊藤園に入社し、ヒット作を飛ばす。その後、転職も経てキャリアを積む
- 潜在ニーズがヒットを生む
- 他人の愚痴や不満は、アイデアの宝庫
- 現場の声を拾うことの重要性
伊藤園の『ぎゅっと搾ったレモン水』、『充実野菜』、コカコーラの『リアルゴールド(缶)』、日本たばこ産業(JT)の缶コーヒー『ルーツ』などを手がけた著者が、どうやってこれらの飲料商品をヒットさせたのかが描かれていて、非常に興味深い。クリエイティビティが必要な仕事をしているプロフェッショナルであれば、どんな分野の人でも気づかされることが多いはず。『ルーツ』を発売間近に控えた日本たばこに転職して、直感的に「これじゃ、売れない」といきなりダメ出しして発売を延期させたりもしています。理屈の部分と理屈じゃない部分の絶妙なバランスにも、なるほどと思わされます。
満足度:★★★★★
日本たばこ産業(JT)が缶コーヒー『ルーツ』を発売したときに、ブラッド・ピット を起用したCM