アトキンス生命科学のための物理化学第2版
著者:Peter Atkins, Julio de paula
出版社:東京化学同人
原著は、Physical Hecmistry for the Life Sciences Second Editionです。
ピーター・アトキンスはオクスフォード大学教授。
この本は生命科学を専攻する人が物理化学を学ぶための本です。随所に簡単な例題が盛り込んであって、非常に教育的に書かれた教科書。章末問題もかなりの量があります。
数式を使って説明しているのはもちろんですが、文章によるわかりやすい説明も併用されていて理解を助けます。
忘れてならないのは、系がギブスエネルギーの低い方に向かう傾向があるという言い方は、系と外界を合わせた全エントロピーが増加する傾向があるということを言いかえたものに過ぎない点である。自発変化の基準になるのはあくまで系と外界の全エントロピーの値である。ギブズエネルギーは全エントロピ―変化を系の性質だけで表現するための便宜的な道具にすぎない。しかも、一定温度、一定圧力の条件かで起こる過程にしか使えない(86ページ)