薬剤の効果などを調べたいときに被験者の数(サンプル数)を必要以上に多くするのは、お金や時間の無駄になります。動物実験の場合は不必要に動物を使うことは倫理的にも許されません。逆に、サンプル数が少なすぎると、本来導かれるべきだった結論が導けない可能性があります。
それでは、例数はどのようにきめれば良いのでしょうか?
2 群間の平均を比較するt 検定の例数設計について (平均値の差に関する例数設計で、両群ともにデータが正規分布に従い、両群の分散が等しいことは仮定)例数設計に必要なもの:有意水準(α)、検出力(1 − β)、見込まれる薬効(Δ)、データの分散(σ2)
(例数設計の基礎 第8回Armitage 勉強会 土居正明 PDF)
実際の計算は、無料の統計ソフト「R」などを使うと簡単にできるようです。
R のbase パッケージに組み込まれているパワーアナリシスは、t 検定(平均値の差)、カイ2乗検
定(割合の差)、分散分析(多群の平均値の差)の3つの検定手法に対応しています。…
power.t.test(delta=0.5, sd=2, sig.level=0.05, power=0.8,n=NULL)
これは、以下のような意味です。
・検定手法はt 検定
・検出力は0.8(False Negative を起こす確率は1-0.8=0.2, 20%)
・測定値の群間の差 0.5 を検出したい
・測定値の標準偏差は2 ぐらいだと思う
・有意水準(False Positive を起こす確率)は0.05, 5%
・サンプルサイズは不明(これを求めたい)
この結果は以下のようになります(R Console ウィンドウに直接結果が出力されます)。(2007/8/8 R Commander を用いた統計解析の基礎(3) 岡田昌史 PDF)