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熱海市立 澤田政廣記念美術館

澤田政廣(さわだせいこう)は日本の彫刻家で、多彩な作品を残した多作の人です。熱海梅園の敷地と地続きになっている熱海市立澤田政廣記念美術館には澤田政廣氏の作品が数多く展示されています。93歳で亡くなるまで、創作意欲はまったく年齢を重ねても衰えることなく晩年に至るまで非常に勢いのある作品を残しています。”固い”作品が多い中で、面白いところでは、長嶋茂雄氏の塑像なども展示されています。また、ヌードモデルをみながら木彫に勤しむ自分自身を描写したコミカルなデッサンも、遊び心に溢れていて、思わず笑ってしまいます。

この美術館の受付で販売されている『芸術の心を射抜く矢 彫刻家のことば』(平成19年初版)は、澤田政廣記念美術館会館20周年記念、「澤田政廣ことば集」として出版されたもので、澤田政廣氏の言葉や作品が紹介されています。いくつか印象的な言葉を紹介します。

芸術は息です。吐いたり吸ったりする空気の中に美の世界があるか否かがすべてを決定します。それが芸術家の生涯なのです。(『芸術の心を射抜く矢 彫刻家のことば』 116ページ 澤田政廣 昭和50年 )

ノミを意識したら、仕事はできない。(『芸術の心を射抜く矢 彫刻家のことば』 130ページ 澤田政廣 昭和54年 )

しょせんカキの木にリンゴはならないのだか、ピカソはピカソ、私は私。作品は自分から出るものだけで作ります。(『芸術の心を射抜く矢 彫刻家のことば』 153ページ 澤田政廣 昭和56年 )

参考ウェブサイト

  1. 澤田政廣記念美術館(熱海市)
  2. 澤田政廣記念美術館(あたみニュース):”熱海出身の文化勲章受章者・澤田政廣(さわだせいこう)の代表作品を集めた美術館で、 多くの木彫作品をはじめ、絵画・墨彩・陶芸・版画・書など、 あらゆる領域にわたった芸術作品を展示しています。”
  3. 澤田政廣(国立文化財機構 東京文化財研究所):”木彫界の長老澤田政廣は、5月1日午後11時41分、急性肺炎のため東京都目黒区の本田病院で死去した。享年93。明治27(1894)年8月22日、静岡県熱海市に生まれる。本名寅吉。生家は製材業を営む。大正2(1913)年静岡県立韮山中学を中退し画家を志すが両親に反対され、翌年、遠縁にあたる木彫家山本瑞雲をたよって上京、その内弟子となる。”