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入門 はじめてのデータベース 藤島一月男、奥恵 2013年 技術評論社 【書評】

データベースって何?という人向けのわかりやすい解説書。図書館にデータベース入門を謳った書籍が10冊程度並んでいたなかで、一番読みやすくわかりやすかった。たとえば「第1正規形」の説明を読んでみると、5ページを割いてわかりやすく書いてありました。他書はもっとあっさりと1ページ以内でまとめたものが多かったようです。また、全編を通じて、初心者x経験者の対話形式になっているので、初心者が考えそうなたいていの疑問に答えてくれていて、初めての人に親切な作りになっています。このように、データベース特有の概念的な説明に十分な紙面が割かれている点で、類書とは一線を画しています。

難易度は、この表紙のデザインが物語る通り。難しいとか易しいという言葉はちょっと誤解を招く表現でしたね。”基本的”、”根本的”、”概念的”な事柄の理解に注力した本というべきでした。

本書の内容は、データベースをつくる際の基本的な考え方です。SQLのコマンドの紹介はありますが、具体的なデータベースプログラミングの解説はありません。データベースプログラミングの入門書を読むまえに読むべき入門書という位置づけになるでしょう。新しい分野を学ぶには、こまごまとした具体的なことよりもまず、全体像を概念的に捉えるのが早道なので、プログラミングを覚える前に読むと良い一冊です。基本的なコマンドの紹介=データベースの基本的な概念の紹介になっていますので、他の入門書で多数のコマンドが出てきて頭がこんがらがる前に、本書を読んでおくと理解がスムーズになるのではないでしょうか。