アートとサイエンス

大学で学ぶ量子化学の定番の教科書

 
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 真船文隆著  量子化学―基礎からのアプローチ  化学同人 2007年

第1章 原子の線スペクトルとボーアモデル(原子模型/水素原子の線スペクトル/ボーア原子/ボーアの仮説)

第2章 波動性と粒子性(光の波動性/光の粒子性/光の粒子性と波動性/電子の粒子性と波動性/物質波とド・ブロイの式/物質波とボーアの量子条件/波動方程式/波動方程式を解く/νの意味/二次元の波動方程式)

第3章 シュレーディンガー方程式(ド・ブロイの式/時間に依存しない波動方程式/時間に依存しないシュレーディンガー方程式/ハミルトニアン/固有値問題/ハミルトニアンを書き下すには/井戸型ポテンシャル中の自由粒子/シュレーディンガー方程式の固有関数の意味/井戸型ポテンシャル中の自由粒子の波動関数とエネルギー固有値/量子状態の特徴/共役ポリエンの光吸収)

第4章 量子化学の基礎(波動関数/固有値/波動関数の直交性/期待値/演算子と固有関数の変数分離)

第5章 三次元のシュレーディンガー方程式(三次元の井戸型ポテンシャル中の粒子/三次元極座標)

第6章 水素原子のシュレーディンガー方程式(水素原子のシュレーディンガー方程式/水素原子のシュレーディンガー方程式の変数分離/波動関数の角度成分/波動関数の動径成分/水素原子の波動関数と三つの量子数/エネルギー固有値/水素原子の軌道/波動関数の空間的な広がり)

第7章 多電子原子(水素類似原子/独立粒子近似/構成原理/原子の電子構造/電子殻/閉殻/周期律/イオン化ポテンシャル/原子半径)

第8章 水素分子イオン(水素分子イオンのシュレーディンガー方程式/LCAO近似/変分法/水素分子イオンのエネルギー/水素分子イオンの波動関数/α,β,Sの値と意味/あらためて水素分子イオンのエネルギーについて/あらためて水素分子イオンの波動関数について)

第9章 等核二原子分子(水素分子のシュレーディンガー方程式と独立粒子近似/エネルギーダイアグラム/リチウム分子/等核二原子分子の分子軌道/B2,C2,N2の電子配置/等核二原子分子の電子配置/結合次数)

第10章 異核二原子分子(異核二原子分子の分子軌道/水素化リチウム分子/フッ化水素分子/一酸化炭素分子/分子の極性)

第11章 分子の運動(ポテンシャルエネルギー曲面/ばねの振動/調和振動子の固有エネルギー/調和振動子の波動関数/調和振動子の振幅/分子振動と赤外スペクトル/分子回転の剛体回転子近似/剛体回転子のエネルギー固有値/原子・分子の回転スペクトル/分子の電子状態,振動状態,回転状態) 補遺 各章末問題 解答

この本はとにかくすっきりとしていて読みやすい。「はじめに」で執筆方針として、「行間を読む必要は全くない。数式の導出はなるべく丁寧に書き連ね、飛躍のないようにした。」と述べられているように、まさに、そのような本です。B5サイズで268ページなので、それほど威圧感もなく、とっつきやすいと思います。余白もふんだんにあるので、紙面に圧倒されて向学心が萎えることもありません。個人的にはこういった見やすいレイアウトが勉強するうえでも重要だと思っています。やる気が湧くかどうかを決める要素なので。初心者への配慮が行き届いた本といえます。網羅的でレベルの高すぎる本に手をだして挫折するよりも、トピックをある程度絞り込んで、その分、初心者を躓かせないように十分な紙面を割いてわかりやすく説明してくれる本書のような教科書が、初心者には断然お勧めです。図がふんだんに使われていて、本当にわかりやすい。

マッカーリ・サイモン 物理化学(上) 東京化学同人 1999年

中田 宗隆 量子化学―基本の考え方16章 東京化学同人 1995年

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