パリティシリーズ素粒子物理の教科書のヒッグス機構の説明で出てきたラグランジアン。
\[ \mathscr{L} = \frac{1}{2} \partial_\mu \phi \partial^\mu \phi – \frac{1}{2} \mu^2 \phi^2 – \frac{1}{4} \lambda \phi^4\]
常微分で、dy/dx の分数が個別に出てきて、dxやdyとして使われるのは見たことがありますが、偏微分で分子のラウンドディーだけが使われるのは初めて見ました。何を表すのでしょうか。右側の添え字が上にあったり下にあったりするのも何なのでしょうか。やはり物理学科の高学年向けの教科書なので、これらの記号は既知とされてるのかと思いましたが、教科書を前のページまでさかのぼってみたら、17ページ目に単位系と記号法というセクションがあり(セクション1.5)、そこに一通りの説明がなされていました。
4元ベクトル表示とは何かというと、
\[ A^\mu = (A^0, A^1, A^2, A^3)\]
\[ A_\mu = (A^0, -A^1, -A^2 -A^3)\]
ということを略してこう書いているみたいです。さらに、
\[ \partial^\mu \phi \equiv \frac{\partial \phi}{\partial x^\mu} \]
\[ \partial_\mu = ( \frac{\partial}{\partial t} , \nabla )\]
\[ \partial^\mu = ( \frac{\partial}{\partial t} , -\nabla )\]
別に微分dyみたいなことではなかったのですね。微分の操作を単に略して書いていたというだけでした。また、約束事として、同じ添え字が上下に現れたときは和をとるのだそう
\[ A^\mu B_\mu = \sum_{\mu=0}^3 A^\mu B_\mu \]
そして、この教科書によくでてくる正方形の記号の説明もありました。
\[ \partial_\mu \partial^\mu = \frac{\partial^2}{\partial t^2 } -\Delta \equiv \Box \]
この正方形の形の演算子は、ダランベール演算子、あるいはダランベルシアンと呼ばれるそうです。
\[ \mu \]といわれるとぎょっとしますが、0,1,2,3のことと聞くと、なーんだと安心しました。また、この教科書では、
\[\phi(x) \]
と書いてあったらそれはx座標のxのいみではなくて、\[x^\mu \]のことだそう。