高校化学で共有結合を説明するルイス式、オクテット則とは?

高校の化学で共有結合を習ったとき、電子軌道の最外殻に電子対が全部詰まったらエネルギー的に安定になるので、周期表の2周目の原子は共有結合をするときにオクテット則(8個つめこむことで安定)に従うというのを習ったような気がします。また、そのことがわかりやすいように電子を点々で示すのがルイス式です。通常ですと、共有結合は棒で示すわけですが、その棒(結合)の本質が電子のペアだというわけです。例えば水素分子だと、H:Hです。まあ、水素原子の場合は電子が一つしかないので、1s軌道に2つ入るようにして安定化を図るわけです。オクテットの例にはなりませんでしたが。CO2の場合には、O::C::Oとなります。Cは原子番号6なので、外側の軌道には電子が4つあり、共有結合をする相手から電子4つもらえれば(共有できれば)、トータル8個で軌道を満たすことができます。酸素は原子番号8なので、外側の軌道には電子が6個あり、結合する相手から2つ電子をもらう(共有する)ことで安定化するというわけです。

オクテット則

オクテット則というのは、「経験則」であって、原理ではありません。なのでオクテット則に従うものが多いというだけであって、オクテット則で説明がつかない分子も多くあります。それでも、生体を構成する主要な元素に関して説明がつくので、便利です。

混成軌道の考え方

原子における電子の分布はs軌道やp軌道などの形が計算で求まりますが、2つの原子が近づいてきたときに、それらの電子の軌道の重なりだけで結合が作れるかというと、必ずしもそうではなくて、例えばメタンCH4の場合、正四面体構造になることの説明がそのままではつかないわけです。そこで、軌道が混成して、混成軌道なるものがあらたにできたと考えると説明がつきます。

高校の化学と大学の化学の違い

ルイス式とかオクテット則というのは、大学で共有結合の勉強を量子力学、量子化学に基づいてするときには、もはや登場しません。高校化学での便宜的な教えてかただったのかもしれません。ただ便利なので、大学の生物の教科書で共有結合を説明しているチャプターでは、オクテット則をみかけました(LIFEという分厚い教科書)。

参考

  1. ルイス構造式(ウィキペディア)
  2. 一酸化窒素NOの分子軌道について、電子論と軌道論の両方から解説 2022.01.14 ジグザク科学.com
  3. 大学のレポートでF2分子の電子配置をオクテット則を用いる方法と化学式で書きなさい。と YAHOO!JAPAN知恵袋