「醸造」とともによく聞く言葉に「発酵」がありますが、両者の違いは何でしょう?
発酵は「人間に有用な物質を微生物を使って目的とする単一化合物を生産する」という定義が適当と考えられます。 アルコール発酵、有機酸発酵、炭水化物発酵、ビタミン発酵、アミノ酸発酵、核酸発酵、2次代謝産物発酵(ペニシリン、抗生物質、酵素、タンパク質など)、など様々な化学物質が微生物の素晴らしい機能を活用して発酵によってつくられています。 … 一方、醸造という言葉は味噌醸造、醤油醸造、清酒醸造、焼酎醸造、食酢醸造などと使われるように、生産物は単一化合物でなく、微生物の代謝生産物そのものが製品となります。(醸造の知識あれこれ 秋田県立大学 醸造学講座)
発酵は、微生物の作用により起こる食物に対する変化のうち、人間にとって何らかの役に立つ物をさします。逆に、役に立たない物を腐敗と呼びます。醸造は、発酵のうち、主に液体か、それに近い形態で行われるものをさします。方向は同じですが、発酵という大きな分類の中に、中分類として醸造があります。(醸造と発酵は同じことですか?? ヤフー知恵袋)
当たり前のように使われる「醸造」という言葉ですが、その定義はなんだったのかというと。
醸造(じょうぞう)とは、発酵作用を利用してアルコール飲料(酒類)やその他の食品(主に液状の調味料)を製造することである。(醸造 ウィキペディア)
醸造酒の造り方を大学で学びたい場合には、何学科を目指せばよいのでしょうか?ずばり醸造の名を冠した研究室も存在します。
- 東京農業大学 醸造科学科 ”醸造科学科では醸造に関連する幅広い知識を学ぶため、微生物の総合的な知識や取扱い法・機能解析を習得する「醸造微生物学分野」、醸造物の原料から製品に至るまでの科学と技術について考究する「醸造技術分野」、食品産業を取り巻く環境を広範に扱う「醸造環境学分野」の3分野を配置しています。 ”
- 秋田県立大学生物資源科学部応用生物科学科 醸造学講座 ”我々の祖先は麹菌と共に酵母、乳酸菌、酢酸菌などの醸造微生物を上手に使い、米、麦、大豆などの穀類から、滋味あふれる味噌、醤油や酒類を造りだし、食生活を豊かなものにしてきました。”
- 鹿児島大学農学部 焼酎・発酵学教育研究センター 醸造微生物学部門 ”焼酎やさまざまな発酵食品の製造に用いられる酵母や麹菌などの機能を遺伝子・細胞レベルで解析し、有用な株の育種につなげる研究を行っています。”
- 山梨大学 生命環境学部地域食物科学科ワイン科学特別コース ”ブドウやワインに関する最先端の知識と技術を学び、ブドウ栽培実習、ワイン製造科学実習、山梨県内のワイナリーでブドウ栽培やワイン醸造の現場を体験するインターンシップなどの実習を交えて、実践に即した応用力を養うことを目指しています。”
- 京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 発酵生理及び醸造学研究室 Laboratory of Fermentation Physiology and Applied Microbiology
- 発酵学・有用微生物学が学べる大学(みらいぶプラス 河合塾)